ホウの木の花が咲いた。
葉は 『ほう葉寿司やほう葉餅』 として用いられる。
季節の物であるため、一度ご賞味いただきたい。
環境改善を続ける事は大事だ。
5月末には 『ごみゼロ運動』 として、全員揃って雑草を除去している。
時折、思いも寄らない植物が自然に生える事がある。
舗装の割れ目は養分が多いのか、元気が良い。
中には、雑草自ら舗装を押しのけ顔を出している物もいる。
除草剤を散布すれば手間は掛からないが、
個人的にはあまり好みではない。
なので、コツコツと雑草を除去している。
キレイになった事務所回りを見渡すと、通り抜ける風が気持ちいい。
手を掛ければ掛けるほど、居心地がよくなった気がする。
森林組合という会社を、
行政機関の一部と思われている方はまだ多い。
確かに、事務所が行政機関と隣接していたり、
職員の出向を受けていたりと繋がりは多かった。
だが、森林組合は独立した一企業であり、
規模の拡大、売上の増強は宿命だ。人・物・金と三拍子揃ったら、有効に使う。
そして競争して勝ち残る事が大切だ。
平成になったころ中小企業も拡大するのが宿命だと勘違いしするかのように、
M&Aという言葉を耳にする事が多くなった。
森林組合でも当たり前となり、合併話が進み、
各市町村に存在した森林組合は、現在20組合となっている。
考え方はそれぞれだし、何が正しくて何が間違っているのかを議論するつもりは無い。
ただ、今の付知町森林組合である事に大いなる誇りを持っている。
こちらは、利用間伐を実施する前の風景だ。
木々が成長し密閉しているため、下草が無い。
残す木を決め、利用間伐を行った。
写真の撮影角度が違うため、風景が一致しないが同じ森林だ。
伐採したため、地面にも光が当たるようになった。
このような風景を見ると達成感がある。
森林組合が大好きな理由もこれに近い。
また、
伐採後の伐り株を見るのも好きだ。
年輪がどうなっているかワクワクしないか。
年輪は、樹齢が分かるとともに、
枝打ち作業・保育間伐作業を実施したのおよその年代が分かる。
立っている木を見て、大きさや太さから樹齢を予測するのも良いが、
伐った事により分かる成長過程にロマンを感じる。
こういう嬉しさは例えようが無く、
興味の無い人には意味を伝えるのが難しい。
森林技術者の熊澤くんに、
枯れ枝の部分で玉伐りをお願いした。
枯れ枝となり、そこから雨水や虫が入り傷を作ってしまっている。
このような傷がある木は、建築材として加工をすると、
傷が表面に出てしまい価値がなくなってしまう。
だから、適時の手入れは大事だ。
「古きを尋ねて新しきを知る」とは少し違うかもしれないが、
これまでの成長過程を知り、今後どのように成長させるか考える悦びがある。
6月に入り各森林組合の決算内容が出そろった。
景気の良いニースを耳にする事があるが、
当森林組合も含め、木材産業は相変わらず厳しい状態だ。
森林・林業に対する国の方針が見直された事は、以前のブログでも述べた。
国産材の需給率を上げる方針は賛成だが、
需要先が確立されていない状態でのスタートとなったため、
木材の搬出のみが各地で進み、木材市場に集まり過ぎてしまい、
木材価格をさらに下落させた。
国・県としても、この結果になる事は最初から分かっていたはずだ。
現状のままでは、森林組合の事業量を確保するだけで、
『森林所有者のために』と成長過程を想像した営業を進めるのは難しい状態だ。
当森林組合の決算結果としては、
過去最低だった。
結果が出る前から「やはりなあ」という気持ちは持っていた。
しかし、これは 薬 になるだろう。
一旦、「森林組合とは何か」、「森林所有者とどういう関係で付知の山を育てるか」を考える良い機会だ。
これまでの状態のまま、
最良の結果が出たら、見直すチャンスを失ってしまう。
最悪とは言わないが良くない結果が出たことで、
軌道修正する機会が出来た。
当森林組合が得意としている作業方法は 『架線集材』 だ。
架線集材は古くから実施されてい方法なのは事実。
そのため、
『作業方法について、付知は10年遅れている』 と言われる事もある。
高性能林業機械を主流とした、
作業方法となって来ているのは理解している。
機械を導入する事により、
森林技術者の肉体的量力や作業に伴う危険度は改善される。
ただ、付知の地形に合っているか?
機械を入れるためには、森林内に道を開設する必要がある。
場所によっては無理に開設し林地崩壊を招く可能性が出てくる。
と疑問に思い、魅力を感じないのも事実だが、検討する余地はある。
キャンプ場業務についても、
『付知は森林整備を行わず、キャンプ場ばかりに力をいれている』 と言われる事が多くなった。
森林組合の本業は森林整備だ。
それは、これからも変わらない。
だが、キャンプ場業務は縮小しない。
何を言われようが、当森林組合として大事な収入源でもあり、付知のキャンプ場を愛している方が居るからだ。
森林整備については、これまで保育間伐を中心に行って来た。
森林所有者の意志、樹木の成長量等の理由で、利用間伐として実施量は少なかったのは事実。
どんな企業でも長年の間に ほころび が生まれる。
つまらない理由で勝てない時期が訪れ、外から見ると疑問だらけの状態に見える。
そういう時に改善する力を発揮できるのは社長しかいない。
儲かる林業を目指す訳ではないが、
国・県の担当課が森林に情熱を傾けないと、森林・林業が輝かない。
また、森林組合の組合長も並みの人物では勤まらない。
森林・林業が好きで好きでたまらないのは当たり前。
森林組合の将来性を決める設備投資をする等、時には大胆さも必要。
森林組合は同族企業のような考え方とスタイルで、森林・林業を見直す必要があるかもしれない。
次のステップに進むために。今は、考える時期に来ている。